福岡市南区でのサル襲撃事件
目次
1. 事件の詳細
2023年9月28日午前7時半ごろ、福岡市南区柏原6で女性(50)から「サルに足をかまれた」と110番があった。直後に小学生の女児(9)の母親からも「娘がサルに足を複数箇所、かまれた」との110番があった。2人は病院に搬送された。サルは1匹とみられる。警察官が現場に駆けつけたが発見できておらず、周辺を捜索している。
2. 現在の状況
福岡市によると、9月に入ってサルの目撃情報は23件に上り、うち南区でも8件あった。福岡県警南署によると、小学生は通学途中だった。現場は県立柏陵高西側の住宅地。近くにはキャンプ施設などがある油山がある。南署員がパトカーで巡回しながら注意を呼び掛けている。
付近のマンションに住む女性(72)によると、午前7時半~8時ごろに救急車が2台着いた後、管理人から「1号棟の駐車場内でサルが出て、けがをした人がいます。外に出ないでください」という内容の放送があったという。女性は「近くに自然公園があるからサルもイノシシもよく出るが、マンション内に出たというのは初めて聞いた。怖いですし、今後も頻繁に出るようになるのか不安」と話した。
3. 安全に関するアドバイス
福岡市動物園の動物相談員、安河内清文さん(65)はこの時期のサルについて、「秋から冬の繁殖期に向けて栄養を蓄える時期。近くには油山があり、人家の庭の柿などを食べるために住宅地に下りてきているのではないか」とみる。
サルに出合った場合の注意点として、「サルは頭が良く、弱い者を見分けるため、子どもや高齢者は襲われやすい。児童の登下校はできるだけ集団になり、大人が付き添った方がいい。傘を持っておけば、万が一の場合に追い払うこともできる」と話す。その上で、「遠くに見えた場合は近づかないこと。突然出合ってしまった場合も、興奮させないため目を合わせないこと。騒がず気付かないふりをして遠ざかってほしい」とアドバイスする。